映画「乙女たちの沖縄戦〜白梅学徒の記録〜」 園崎明夫

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証言者の方たちのお年など考えれば、まさに今制作していただいてよかった、本当に貴重な作品。沖縄戦に限らず、太平洋戦争に関する証言や記録を、時間とのたたかいの中で今のうちに出来る限り残し、戦争を体験していない世代がつねにアクセスできる環境を絶やさないことの重要性も痛感しました。

さて『乙女たちの沖縄戦』は、まずドキュメンタリーとドラマの2部構成にするという着想が傑出していると思います。

白梅学徒生存者の証言パートが確かにあった「過去」の記録・検証であり、その証言をもとに作られたドラマは、現在の制作スタッフと俳優が演じることで「過去の再現」でありつつも、同時にそれは「現在」の視点、感性で想像かつ創造された、いわば「現在」であり、さらに想像力豊かな観客は、それをそんなに遠くない自分たちの「未来」の光景と感じるかもしれません。

「過去」を語りながら、その語られた「過去」は「現在」の観客たちに「未来」を想わせる作品構成となっている。

そして、その「未来」はけっして来てほしくない「未来」のはずで、そのためには・・・。

むしろ作り手の皆さんは、そのような観られ方を意図されていると、私は確信しますが。

証言者 中山きくさん

ドラマの1シーン

また、この作品には明確で重要なメッセージが込められています。

「国家はその国民を殺すことがある」ということです。

仮に過去形で書いても、ほとんど意味は変わらない。

そして、国家が「戦争」を始めるとはどういうことか、これほど明解にシンプルに伝える映像作品というのもめったにないのではないでしょうか。

是非多くの、特に若い人たちに観てもらって、「過去」と今と「未来」を想っていただきたい、痛切にそう思います。

○そのざき あきお(毎日新聞大阪開発  エグゼクティブアドバイザー)

●上映情報

関西地区での上映は、シアターセブンが8月6日から、京都みなみ会館が8月5日から。

https://otometachinookinawasen.com/

 

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