観る人は、愛情や怒りや悔恨や様々な感情を激しくかきたてられ、起きたことをどう受け止めるのか、これから先何ができるのか、一人一人が問われる、ものすごく強い力を持った記録映像です。
あの大災害の時、何処で何をしていたにせよ、同日同時刻から現在までの時間をこの国で生きてきた、すべての人々が観るべき記録だと思います。
私自身は、観る前と後で『生きる』というタイトルの持つ意味、重みがまったく変わってしまうような感覚がありました。そして、教育関係者の「責任と判断」という重大な問題提起とともに、「子供の自由意志」というものについて私たちはどのように考えてきたのか、これからどう考えていくのかという問題も、同時にその基層にはあるのではないかと。
この作品については、先月、大阪・十三の第七藝術劇場で開催されたトークイベントの報告記事を、「月刊 風まかせ」編集委員の文箭祥人さんが書いて、当ホームページにアップされているので、作品鑑賞後にぜひお読みになることをお勧めします。大川小学校津波裁判の原告遺族でこの作品の映像記録のほとんどを撮影された只野英昭さんと寺田和弘監督が登壇されていて、映像作品そのものを補完し、私たち観客をより深い作品理解と共感へと案内してくれる、たいへん詳細で貴重な発言記録だと思います。
●映画「生きる 大川小学校 津波裁判を闘った人たち」公式サイト
〇そのざき あきお 毎日新聞大阪開発 エグゼクティブ・プロデューサー
なお、冒頭の写真のコピーライツは©2022 PAO NETWORK INC.
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