非「映画」的要素をすべて捨て去った映画「静謐と夕暮」 園崎明夫

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今年の4月にシアター・セブンで上映された『静謐と夕暮』が11月18日(金)から京都・出町座で上映されます。

半世紀以上映画観てきましたが、こんな作品に出合ったことがありません。

正直、驚きました!たぶん世界映画史上にも類のない作品ではないかと思います。

「意味」も「物語」も何処にも無くても、セリフすらわからなくても、なぜかすごく面白い。

何なんでしょうか、これは。

この映画の魅力を伝える言葉がうまく見つかりません。

この作品にあるのは、光と影、形態、色彩、動き、音、空間、たぶんそれだけです。

およそ通常の意味での「映画」作品から、非「映画」的な要素をすべて捨て去ったら、それはこんな作品になるのかも。

私たちがふつう「映画」と呼んでいる映像作品から、実は「映画」とは言えない部分を削り取ったら、「映画」だけが残りました、みたいな。

自分でも何を言っているのかよくわかりませんが、そういう映画です。

そして、その映像作品がどうしてこんな不思議な「美しさ」をたたえているのか。

木や草や空や自転車や白いTシャツやジーンズや住宅街やシャッター商店街や鉄橋や風の音や電車の音や、

スクリーンに生起するすべての映像と音がどうしてこんな「美しさ」を宿しているのか。

ぜひ多くの方々に観ていただいて、楽しんでもらいたい作品です。

いずれにせよ慌ただしい日々のなか、なにも考えずただ自分の感性のなかに一人過ごす136分は素晴らしい体験でした。

今後も素晴らしい作品を創作されることを期待しています。

公式サイト:https://mitei10kisei.wixsite.com/silence-sunset-jp
【日時】: 2022年11月18日(金)~
【場所】:京都・出町座( 〒602-0823 京都府京都市上京区三芳町133)

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