市議会は市民の声にどう応えたのか?  宮津市ふるさと納税返礼品《ゲノム編集とらふぐ》に関して、食の安全などを懸念する市民が市議会に請願書を提出     京都・宮津市からの報告③ 文箭祥人

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「安全性が明確になるまで、ゲノム編集とらふぐをふるさと納税返礼品として取り扱わないよう宮津市へ要請してください」

これが、2月16日に宮津市民二人が宮津市議会に提出した請願書の趣旨。

ゲノム編集とらふぐは、遺伝子操作されたとらふぐ。食欲を調整する遺伝子を取り除き、食欲を旺盛にさせる、そうすると、とらふぐは餌をバクバク食べ、通常のとらふぐに比べて早く成長する。ゲノム編集とらふぐを陸上養殖で宮津市内で生産しているのはリージョナルフィッシュ社。2019年に設立し、本社を京都市左京区の京都大学内に置く。2021年12月、宮津市はこのゲノム編集とらふぐをふるさと納税返礼品に採用した。

「海の京都」のキャッチコピーが書かれた看板 宮津市内で

宮津市は日本三景の天橋立で知られ、観光案内所へ行くと、「海の京都」というキャッチコピーを目にする。筆者は、アジやハマチ、イカ、ナマコなどを食べたが、どれもとてもおいしい。そんな宮津市で、ゲノム編集とらふぐが、ふるさと納税返礼品になっている。

請願者である市民二人は突然、請願書を提出したのではない。二人は「麦のね宙ふねっとワーク」という名のグループを結成。中島みゆきの「麦の唄」と「宙船」から付けた名前。そして、ゲノム編集食品の問題点を指摘する科学者を宮津に招いて講演会を開催したり、宮津市長宛にゲノム編集とらふぐをふるさと納税返礼品から削除するよう求める署名を集めたり、宮津市やリージョナルフィッシュ社、さらに厚生労働省や農林水産省に対して質問などをしてきた。毎月のように、「むぎふね新聞」を発行し、自分たちの活動を報告している。冒頭の写真は6月号。こうした活動に取り組んだ上で、請願書の提出となった。

ふるさと納税返礼品に採用されている以上、ゲノム編集とらふぐは全国の消費者の食卓に上る。宮津市だけの問題ではなく、全国の問題でもある。

請願書

請願に対する討議が3月6日に宮津市議会で始まり、6月12日に請願は不採択となった。

どういう討議が行われたのか、ゲノム編集とらふぐの食の安全など問題点についてどのような討議がされたのか、市議会は請願者の声に対して誠実に向き合ったのか、情報公開請求で得た議事録から討議の内容を検証しつつ、振り返りたい。

目次

《ゲノム編集とらふぐ》の数々の問題を請願書で指摘  食の安全性、生態系への影響、アニマルウェルフェア、環境汚染、漁業への影響、経年後の健康被害

討議の場は宮津市議会・総務文教委員会。委員長は松浦登美義、副委員長は安田祐美、委員は徳本良孝、坂根栄六、堀未季、星野和彦、宇都宮綾の5人。

3月6日午前、松浦委員長が「請願の審査を行います」と述べ、討議が始まった。

冒頭、請願書の紹介議員、久保議員が請願の趣旨とその理由を述べた。

請願の趣旨は<安全性が明確になるまで、ゲノム編集とらふぐをふるさと納税返礼品として取り扱わないよう宮津市へ要請してください>。

請願の理由として、様々な点からみたゲノム編集とらふぐの問題点があげられている。

<私たちは専門家による学習会や講演会などを重ね、この技術には多くの問題があることが明らかになってきました>

<国の安全審査とは事業者からの届出を受理、公表しただけであり、国は、何か問題が起こった時の責任は国ではなく、開発会社にあるとしています。しかし、リージョナルフィッシュ社は市民への説明会や情報公開等、市民の要望に答えておらず、国から届け出の際に課せられた消費者への説明責任を果たしていません>

<ゲノム編集生物の海への流出による生態系への影響、アニマルウェルフェア(動物福祉)の観点からの批判、陸上養殖の排水による環境汚染の危険性や漁業への影響、経年後の健康被害の可能性等々、数々の懸念がある>

そして、宮津市に対して、こう要望する。

<ふるさと納税という形で推奨する宮津市には大きな責任が伴う問題であり、今一度慎重な議論や調査をしていただきたいと強く要望します。もしひとたび何か問題が起こった時には収拾不可能なリスクの高い技術であり、風評被害や実害によって、宮津市の豊かな食文化、自然、観光地としての価値が損なわれてしまいます>

請願者は<ゲノム編集とらふぐをふるさと納税返礼品から削除し、海上養殖は絶対にしないでください>の署名10,661筆を集め、市長に提出した。請願書は署名に触れている。

<署名は市内だけではなく全国から集まっており、ことの重大さを示すものです>

請願の最後にこう書かれている。

<食の安全は私たち、また子ども達にとって不可欠であり、自然豊かな、地魚の美味しい美しい宮津がいつまでも残せるようにと願っています>

次に、紹介議員の小濃議員が請願の補足説明を述べた。

「宮津市は国が安全としているから安全だとして、リージョナルフィッシュ社がゲノム編集とらふぐをふるさと納税の返礼品として扱っている。しかし、国はリージョナルフィッシュ社から届け出を受理、公表しただけで自ら安全審査をしていないし、動物実験も行っていない。ですから国は、何か問題が起こった時の責任は国ではなく、事業者にあり、事業者自ら安全性を確認する必要があるとしている」

「リージョナルフィッシュ社は国への届出書の提出に先立って、事前相談をしている。その際、情報提供書の案が提出されているが、その内容は、〇〇と考えられるとか、〇〇は想定しがたいといった主観的な表現になっており、これでは安全性についての説得力がない」

「国は、リージョナルフィッシュ社からの情報提供書の案を受け、学識経験者の意見を聴取した結果、遺伝子組み換え生物等に該当しないこと、生物多様性影響は想定されないことを確認したとしているが、学識経験者の意見は非公開としている。これでは本当に安全だという確認のしようがない。ゲノム編集技術による生物は安全だということであれば、しっかり情報公開がされるべきだが、それがされていない。元農林水産大臣や京都府会議員はじめ市民がリージョナルフィッシュ社の養殖場の視察を要請しても頑なに拒否し、視察をすることができないのは、その最たるものだ。見られたくないものがあるのかも分からない」

「ゲノム編集は突然変異や品種改良といった自然界で起きる変異と同じで安全性上、問題ないとの議論がある。これに対し、専門家はゲノム編集ではDNAの二重鎖が同時に切れ、遺伝子大量欠損、染色体破砕など生命体にとって重大な問題が起きることがあるが、自然の突然変異では通常はDNAの二重鎖の片方だけで、余程高濃度の放射線をあてなければ、DNAの二重鎖が同時に切れることはないなど、突然変異とは異なると指摘されている」

最後にこう述べた。

「請願者をはじめ市民からこれでは安全性を確認することができない。懸念や不安の声が出ているのは当然だ。宮津市は返礼品として取り扱っている当事者であり、市民の懸念や不安を払しょくする責任がある。安全性が確認され、市民の懸念や不安が払しょくされるまでゲノム編集とらふぐを返礼品として取り扱うことを停止するべきというのが請願の趣旨だ」

市議会、《ゲノム編集とらふぐ》を返礼品から削除すれば、訴訟リスクを負うことになる…

請願書の説明を受け、各議員は発言を始めた。

市議会議長でもある徳本議員。

「この請願は2つの部分が入っている。1つはゲノム編集自体の危険性、1つは返礼品にすることがだめということ」

徳本議員が続ける。

「私も危険性とか説明責任が十分果たされていない部分はかなり賛同できる。だからといって、ふるさと返礼品の規定によると、何か問題がないのに返礼品から外すとなると、逆に議会側がこの請願を通すことによって、危険性があるんだということを議会が認めて、返礼品から外すとなると、業者のほうから何を根拠に返礼品から外すのか民事訴訟された場合に答弁できない」

これに対して、小濃議員がこう返す。

「おっしゃることは分かる。要は、市民が不安だと思っているのに説明責任を果たしていない、そのことが問題。問題が解消されるまでの間は返礼品としての取り扱いを停止すべきだというのが請願者の趣旨だと考えている」

徳本議員は、法律的な根拠がない中で、議会として返礼品から外すのは良いのか、すべきなのか、そこが問われていると繰り返した。

徳本議員のこの考え方が、その後の討議に大きな影響を与えることになる。

「拷問養殖」と呼ばれる《ゲノム編集とらふぐ》の養殖

次に、宇都宮議員が、ゲノム編集生物が海に流出した時の生態系への影響、アニマルウェルフェア(動物福祉)に関して質問。

小濃議員

「ゲノム編集した魚が海の中に入ってしまうことがあった場合、どういった影響を及ぼすのか、生態系にどういう影響を及ぼしていくのかを含めて、それは全く予測不可能。収拾不可能なことになってしまう可能性も無きにしも非ずである。アニマルウェルフェアは、ゲノム編集したとらふぐは食欲を抑える遺伝子を破壊することにより満腹を感じず食べ続ける。短時間で大きくなるが、そのことにより胃腸の許容範囲を超えて食べるため内臓へ大きな負担となる。血糖値や肝臓に障害を引き起こしやすくなり、糖尿病にもなりかねない。拷問養殖にあたるという専門家もいるとのことだ」

繰り返される「返礼品から外す規定がない」発言

その後、徳本議員が発言。徳本議員は、これまでにリージョナルフィッシュ社と請願者双方の話を聞き、「どことなくまだ曖昧」と感想を述べた。そして、リージョナルフィッシュ社や宮津市は市民に対して、「説明責任と納得できる情報を提供しないといけない」と述べた。その上で、先に述べた考え方を繰り返した。

「我々政治家は規約や法律、条令に基づいて誰にでも説明できるような行動をとるべきだと私は思う」「後半の請願趣旨のふるさと納税の返礼品から外せというところにひっかかりがある。そこまで議会がやれるのか」

坂根議員が続く。

「私も徳本さんと同じような考え方を持っている。私も両方の意見聞かせてもらい、実際見たし、説明も受け、世論調査もした。皆さんの不安な思いは理解できるが、返礼品を外すときに要項や条例にないので懸念される」

坂根議員は、返礼品のゲノム編集トラフグはゲノム編集であると表示されていて、選択できるようになっていると説明。この点を小濃議員に問うた。

「表示はされている。ふるさと納税した人の選択権はあるが、要は市民の安全や安心を確保しなければならない宮津市が、安全性が確認されていないものを返礼品として取り扱うことが問題だと考えている。そういう意味で、市民がきちんと安全性を確認できるまでの間は返礼品として取り扱いを停止してほしい。それが請願趣旨である」

坂根議員がさらに小濃議員に質問。

「国が届け出前審査をするなり、一定手順を踏んでいる、国が一定安全性を示している。それを市としてどこまでやっていくのか、その辺が私には分からない」

小濃議員

「国は一定の手順を踏んで安全性を示しているということだが、非常に不十分。国自身も安全審査をしていないし動物実験もしていない。責任は開発会社にあると、国は責任を持たないと言っている。その中で国が安全だと言っても信用できない。ゲノム編集は今すぐに結論がでない部分もあると思う。一定の年月をかけてやって、その上で市民が安全を納得できる説明をしてほしい。科学的根拠を持った説明をしていただきたい」

請願に賛成する議員、反対する議員が拮抗する

その後、紹介議員が退出。休憩をはさんで討議が続いた。各議員が請願を採択するのか、不採択にするのか、見解を述べた。

坂根議員が発言。坂根議員は蒼風会という会派に属している。

「蒼風会としては不採択の立場である」

不採択の理由に、返礼品の条件を満たしていること、ゲノム編集であることの表示がされていることを挙げた。ただし、次の意見を付した。

「執行部において市民の懸念される不安に対し、中立的な専門家を入れるなど説明に努めていただきたい」

<中立的な専門家による説明>という新しい考えがここで出てくる。

同じく蒼風会の堀議員が発言。

「個人的な意見は不採択である」

堀議員は国の基準をクリアしていること、市の返礼品基準をクリアしていることをその理由に挙げた。ただし、市民から不安の声が上げっていて市長が説明する必要があるとした。さらに、栗田地区の漁港関係者と話し、ゲノム編集トラフグのことを知らない人が多かったと述べ、これは大きな問題だと指摘した。

無所属クラブの星野議員。無所属クラブは自主投票を行うとした上で、こう述べた。

「私個人としてはまだ迷っている」

また、星野議員は堀議員と同様に、「市民があまり知らない」と述べ、「本当はやめてほしい」という地元漁師の声を伝えた。

宇都宮議員が発言。

「ゲノム編集とらふぐが返礼品であること、ゲノム編集とらふぐの危険性、この2点があるという話があった。不安があるなら、返礼品として市が胸をはって扱うものでなければ、扱うことに対して取り下げになるのではないかと思っている」

請願に賛成の立場だと表明した。また、市民から不安の声や、やめてほしいと言う声があると述べた。

安田議員が発言。

「請願に賛成の立場だ」

安田議員は、住民への説明がされていないこと、安全性の問題などいろいろなことがあるとし、さらに返礼品に採用することが市議会でこれまで話されていないこと、ゲノム編集された魚が宮津市の産品に値するのかの観点の話もあると述べた。

以上のように、この時点で、議員2人が請願に反対、議員2人が賛成、1人が保留した。また、「ゲノム編集とらふぐを知らない」、「不安がある」という市民の声を複数の議員が伝えた。

賛成か反対の表明があった後、坂根議員がこう述べた。

「返礼品に関して取り下げる要項や明確な理由がないところで、これを取り下げた時に、企業から訴訟が起きた時、宮津市として責任がとれるのか。請願に賛成した議員も責任を負わなければならないことになる。そこはしっかり考えていただきたい」

この発言に対して宇都宮議員が発言する。

「そうであるならば、我々議員に対してもリージョナルフィッシュ社から説明を聞きたい」

さらにこう発言。

「先ほど坂根議員から中立な立場の学者という話があったが、そういったことも必要。訴訟の話も出てきた、それであれば学びの場が私たちの中にもないのが問題だったのかなと思っている」

この発言に関して、坂根議員がこう述べた。

「皆、情報を共通認識として持っているというところが多分、ないと思う。市民も当然、情報を知っていないため不安の声が上がってきている。そこに対して、蒼風会として中立的な専門家を入れて、説明を受ける機会を執行部に是非、設けていただきたいと思う」

その後、星野議員。

「市民を交えないと浅い。慎重に、住民投票しても良いぐらいの内容だ。市民を置き去りにしているのが私も気になる」

さらに、企業や雇用に関する発言があった。

「企業の立場から言うと、関電の跡地のこともある。そういう関係もあるんだろうかと、別の勘繰りになるかもしれないけど」

「関電の跡地」とは何を指すのか。リージョナルフィッシュ社の養殖場は関西電力宮津エネルギー研究所に隣接する。今年2月、関電はこの研究所を廃止し、再開発を進めたいと宮津市や宮津市議会などに申し出を行った。3月22日、宮津市などは「再開発(企業誘致)を進めていくことは重要だと考えている」と回答した。「むぎふね新聞」は「ゲノム編集施設拡大!?」と記述。

星野議員の発言が続く。

「ある支援者は反対しないでくれと言う。就職口が京都府立海洋高校はできると言われているので、そういう芽を摘まないでほしいという人も居る」

府立海洋高校は、明治31年に創立された水産講習所を前身にとして、126年目を迎える歴史のある伝統校。現在、地元水産業・食品製造業等振興を土台に、幅広く水産・海洋関連産業へ貢献することも守備範囲に加えて視野を広げ、社会に有為な人材育成を行っている(海洋高校HPから)。リージョナルフィッシュ社は就職先企業として期待する関係者がいて、今年4月に卒業生2人が就職した。

そして、星野議員からリージョナルフィッシュ社視察にかかわる発言があった。

「リージョナルフィッシュ社に行ってないひとが多い。現場を見ていないのなら、今日結論を出すのではなく、今すぐにでも行くぐらい見てから判断しないと、机上でやっていても誤ったことになるのではないか」

それから、リージョナルフィッシュ社視察を巡るやり取りが続き、松浦委員長が論点を整理して、次のように話した。

「リージョナルフィッシュ現場を見に行きたいとのご意見があった。議会としては、参考人招致か委員派遣があるが、あくまで受けていただけるかはお願いをしてからでないと分からない。それを踏まえた上で、もう少し調査をするということなら可能だ。ご意見をお願いする」

議員からは「継続審査をすればどうか」という意見が出て来た。

宮津市議会が入る宮津市庁舎

ベテラン議員、「《ゲノム編集とらふぐ》の危険性・安全性がどうのこうのという原因は別だが…」

その後、休憩となった。討議が再開され、冒頭に松浦委員長がこう論点を整理した。

「リージョナルフィッシュ社と請願者の方にも意見を伺ったらとの意見があった。取り扱いについて、意見をいただきたい。参考人として来ていただいて進めていくのか、皆さんのご意見をお願いする」

そして、討議が始まった。リージョナルフィッシュ社視察の件について、徳本議員が参考人としてリージョナルフィッシュ社を呼び、質問をして、その結果、納得できない場合は現場視察をする、という意見が出た。視察の件はその後、討議の中心から外れていった。

中立的な専門家による説明について、討議が行われた。

星野議員

「学者をという話が午前中なっていた。居るなら、それぞれの立場の学者を呼んでもらって聞くとか。中立っているのか」

宇都宮議員

「中立は判断が難しい」

松浦委員長

「一度、整理させていただく、まず、参考人招致としてリージョナルフィッシュ社。請願者にも来ていただくことは一定、話をしていると思うが、今、学者の方にもというのは現実的に大丈夫なのか。誰を呼ぶかにしても短時間で分からない」

中立的な専門家案に松浦委員長が否定的な意見を述べた。

星野議員

「午前中、話をしていて学者を呼びましょう、中立的な人をというので、中立は難しいのではないかと言うなら、それぞれの陣営の人が連れてきた人を。連れて来れなければ、それでおしまいだし。参考に聞ければ」

次に、坂根議員。なお、坂根議員は、午前中に「執行部において市民の懸念される不安に対し、中立的な専門家を入れるなど説明に努めていただきたい」と発言している。

「そうなんだが、実際問題、講師派遣で予算がかかってくることなので、議会では今はできないのでは」

そして、次に発言したのが徳本議員。徳本議員は討議が始まった時点で「この請願は2つの部分が入っている。1つはゲノム編集自体の危険性、1つは返礼品にすることがだめということ」と述べていた。

「基本は、本請願の審査。請願趣旨は返礼品から取り下げてほしいという趣旨でしょ。危険性や安全性がどうのこうのという原因は別だが、ふるさと納税返礼品から外してほしいから所管である総務文教委員会に付託された。そこをはき違えないように」

これに対して、安田議員が疑問を呈した。

「外してほしいのではなく、明確になるまで取り扱わないでストップと言う話ではなかったか」

この発言に対して、徳本議員。

「それは、どちらにしても市長の判断になる訳で、議会がいくら請願を可決したところで、すぐに市長が「はい、そうします」なんて言うのかどうか」

続いて、星野議員。

「我々には執行権がないんですよね」

突然、「執行権」が出て来た。請願書は「…宮津市に要望してください」としていて、市議会に執行権があるとは考えていない。

続いて、徳本議員。

「執行権はない。いろいろな条件をかき集めて、これこれこういう理由だから外しなさいよとか、不適切だとか、そういうことが指摘できるように、もし指摘できないなら指摘できないとか。その判断を私たちは求められている」

続いて、星野議員。

「参考人はリージョナルフィッシュ社と請願人ですね」

委員長発言「ゲノム編集うんぬんではない」

松浦委員長がまとめるように、こう発言した。

「ふるさと納税の返礼品で我々の委員会に付託されているのは請願であるので、ゲノム編集うんぬんではない。学者による研修は別の流れになるのかなと。今、申し上げたようにリージョナルフィッシュ社の皆さんと請願者に方にそれぞれ参考人招致して、ご意見聞いて判断したい。よろしいか」

その後、学者による研修の件は討議されなかった。参考人招致の手続きなどの話にすすみ、最後に、リージョナルフィッシュ社と請願者の参考人招致について採決され、全員賛成で参考人招致を決した。請願書の採択は先送りされた。

請願書は、ゲノム編集とらふぐの食の安全など数々の問題点を指摘した。これに対して、市議会の委員会では、返礼品から取り上げた時の訴訟リスクが繰り返し述べられた。さらに、「ゲノム編集うんぬんではない」や「危険性や安全性がどうのこうのという原因は別だが」という発言があった。これではゲノム編集とらふぐ自体の問題は蚊帳の外に置かれたようなものだ。討議の中で、中立的な学者を招致する話がでたものの、それも見送った。これでは科学的な問題の検証が深まるはずがない。請願者の声に誠実に向き合ったとは到底、言えない。(つづく)

〇ぶんやよしと 1987年毎日放送入社、ラジオ局、コンプライアンス室に勤務。2017年早期定年退職

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