「落語朗読」で因習打破を!元MBSアナウンサー水野晶子のチャレンジ さのてつろう(落語愛好家)

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元毎日放送のフリーアナウンサーでアマチュア落語家でもある水野晶子(愉快亭びわこ)さんが10月24日(日)、11月7日(日)、11月21日(日)と3回にわたって、私の古い友人で元同僚、小学校校長で退職後、趣味が高じて、落語好きの連れ合いさん共々、昨年から席亭さんになってしまったという安田夫妻が主宰する「門戸寄席」で口演された。予約で総て満席、即チケット完売で3回口演になったという。コロナ延期でやっと2回目の21日に観賞できた。

「〜落語&朗読の会〜」と銘打って、第1部は、落語「堪忍袋」、第二部、川柳で遊ぼ!「出会い川柳」。

そして第3部は、何と新ジャンルのオリジナル「落語朗読」にチャレンジされた。その名も「堪忍袋外伝〜お花の秘密」。愉快亭びわことしての落語もさることながら、第3部の「落語朗読」には、興味津々!

目次

封建時代にできた落語は男社会を描いてきた

落語の世界は、男社会、「女に落語は無理」、「落語に描かれる世界そのものが封建体制そのもの」「登場人物の女性にも人権はない!」は、水野さんが敬愛する落語家の露の信治さんの弁だという。言い得て妙、真実を抉っている。

落語は、戦国時代に大名に仕えた「おとぎ衆」の面白おかしい話が起源という、その話を江戸時代初期に「安楽庵策伝」が「醒睡笑」に著した。1670年過ぎ頃には「落語の祖」と言われる京都の「露の五郎兵衛」、大坂の「米澤彦八」、江戸の「鹿野武左衛門」が登場する。

まさに「近世封建体制」真っ只中で成立したのが落語である。

女性落語家の新人賞受賞は歴史的快挙!

現在、上方落語家の約250名のうち女性は20人弱、一割にも満たない。幸いにも、先日11月29日の毎日新聞の夕刊で大きく報道された「NHK新人落語大賞」で女性初の大賞を獲得した「桂二葉(かつらによう)」さんの「天狗刺し」を観る機会に恵まれた。古典落語で女性落語家が大賞をとるということは、歴史的快挙である。そもそも落語は、男性が演じる事が前提でネタが作られているのであるから、甚兵衛はんも、喜〜さんも、隠居はんも、登場人物の大半は男性、女性落語家が演じるとどうしても違和感を感じるのである。

桂あやめさんの「愛の不時着」のように時代を現代社会に置き換えたり、登場人物を男性から女性に変える手法で、創作落語にして違和感を払拭しようとしている女性落語家さんも少なくない。

封建時代の女性に光をあてる水野晶子さんの落語

水野晶子さんの「落語朗読」では、落語の中では、脇役でしかないお花はんにスポットを当てている、封建社会に埋もれている女性の生き方に光を当てようとする試みは非常に興味深い。

「三従の教え」家にあっては(生しては)父親に従い、嫁しては夫に従い、老いては子に従うという忍従を強いられた女性達にもっとスポットライトを当てて欲しい。

「内海英華」師匠特訓の三味線も見事にマッチング、1回目より、2回目、2回目より3回目と3回連続で観た人の言によると、その上達ぶりはびっくりする程の上達ぶりらしい。

NHKの BSで先日放送されたテレビドラマ「忠臣蔵狂詩曲NO.5 中村仲蔵 出世階段」(ちゅうしんぐらラプソディー だいごばん なかむらなかぞう しゅっせのきざはし)の上白石萌音演じるお岸さんや若村麻由美演じる志賀山お俊にスポットを当てて、「中村仲蔵外伝」も一興。

この新しいジャンルに進取果敢にチャレンジする水野晶子さんの姿勢に敬服!「落語朗読」と言うジャンルの可能性の大きさと魅力に引き込まれていきます。

水野晶子さんの先駆的に取り組む姿勢と意欲に拍手

ええもん観させてもらいました。

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コメント

コメント一覧 (1件)

  • ジェンダーのことですが、孫がいる友だちから聞いたのですが、セーラームーンの歌も、昔は、「ごめんね素直じゃなくて」と、男性に遠慮していたけど、2010年には、「女の子にも譲れぬ矜持(きょうじ)がある それは王子さまに運命投げず自ら戦う意志」とかになってるそうですよ。

    落語は、ここに書いてる通りですよね。ジェンダー問題に取り組んでいる友だちから、落語は楽しく聞けないと言われました。
    その事を、露の新治さんにお伝えしたら、古典やからなーと、水野さんにお話されたような事を言われました。
    でも、新治さんは、言ってくださいねって。
    新治さんは、「たちぎれ線香」をされ時、これは、男は芸者さんや、2号さんとか居て一人前と言われていた時代のお噺です、と、枕でチラッと話されましたわ。

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