スタンドバイミー@水道筋「あの頃ぼくらはアホでした」⑦ 安富

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記憶力が良いと思ってたけど 大間違い

 やっさんらが子どもの頃は、ほとんどが野球少年だった。水道筋商店街界隈にも少年野球チームがいっぱいあった。河原イーグルス、水道筋ジャイアンツ、岩屋〇〇とか。稗田小だけでなく南の西灘小、北の福住、摩耶小などの児童らも入って野球チームが出来ていた。やっさんも小学2年頃から河原イーグルスに入っていた。ショートで背番号は23。憧れの知る人ぞ知る阪神タイガースの名遊撃手吉田義男さんの背番号だ。お風呂屋の下駄箱や脱衣所ロッカーは必ず「23」。もし空いていなかったら、次善の策で「11」。エースの村山実の背番号だ。しかし、守備はまずまず、足もそこそこ速かったが、いかんせん、打てなかった。だから、低学年のチームでも補欠だった。

㊤やっさんのサッカー少年姿。残念ながら小学校の時のモノはなかったので
中学3年卒業アルバムから(昭和45年) ㊦当時の稗田小校庭(今も狭い)

 なんとなく、このまま野球やってても上手くならないなと思っていたら、やって来たのがサッカーだった。小学6年くらいからサッカーを始めた。それは、東京五輪(昭和39年、1964年)で日本代表がベスト8に入った頃から、第一次サッカーブームが起きていたからだ。しかし、記憶違いをしていた。やっさんは、メキシコ五輪(1968年、昭和43年)で日本が3位に入ったからサッカーを始めた、と思い込んでいた。日本代表は昭和43年10月24日にメキシコ代表を2-0で破った。となると、中学1年だ。センターフォワードの釜本邦茂が得点王になり、スピードドリブラーの杉山隆一、宮本輝紀、小城得達、八重樫茂生、森孝慈、宮本征勝選手らの名前が今でも浮かぶ。彼らの活躍を見て、小学6年でサッカーを始めた、と思い込んでいた。記憶ってやっぱりあてにならないものだ。

㊤メキシコ五輪で得点王になった釜本の豪快なシュート ㊦3位になった瞬間(1968年10月24日)


 とにかく、寒かったから6年の秋からだと記憶する。5年生の担任に若い男の先生が赴任した。30ちょいだったかな? 竹田先生だと思う。下の名前は忘れた。竹田学級の子らと主にやっさんの久津見学級の子らで始めた。11人ギリギリだった。狭い校庭で暗くなるまで、ボールを蹴っていると、野球がシーズンオフになったからか少年野球のメンバーらも加わって、6年、5年それぞれで1チームを作れた。そこで、やっさんはキャプテンになり、ポジションを決めた。
 当時のフォーメーションの基本は「WM(ダブルエム」といって、フォワードが最前線に3人。右左両ウィング(R)にセンターフォワード(CF)、2列目にインナー(I)2人。3列目はハーフ(H)2人、最後尾のバックス(B)3人と、ゴールキーパー(GK)だ。エースは当然CFだから、稗田小学校の英雄かっちゃんだ。彼は当時6年生で身長170cm以上あったし、ヘディングも強いし、脚も速かったから、ポンポンと得点した。やっさんは少しだけ脚が速かったから右ウィング(RW)、小柄だが器用な小川くんは確かインナーだった。GKには、当時野球が上手だった久保信之くんになってもらった。捕球が上手く、GKには打って付けだと思っていたが、彼は中学3年でクラスメートになった時、「地味なポジションのGKは不満やった」とこぼしたものだ。このメンバーでその年の冬、初めて灘区内の公式戦対外試合をした。相手は忘れたが、確か2-0で勝った。かっちゃんが2点とも入れたと覚えている。やっさんは、この勝利が余程嬉しかったのか、その年の神戸市の作文コンクールに「将来の夢」と題して、このチームのメンバーでオリンピックに出場して「金メダルを獲る」と書いたら、入選して神戸市の「はぐるま」という作文誌に掲載された事を良く覚えている。これが、後に新聞記者になるきっかけとなったのかな?
 余談だが、この頃、やっさんらは休み時間、5年生の竹田学級の女子らと遊んでいた。何故か6年のクラスメートの女子を敬遠して下の学年の子たちと大縄跳びなどをしていた。実は密かに好きだった女子がこのクラスにいたから、やっさんが主導して遊んでいたのだ。彼女とは中学も一緒だったが、ついに告白出来なかった。一度か二度、バレンタインチョコレートをいただいたのだが。気が弱かったし、照屋さんだった。

㊧当時の校舎全景 ㊨校庭のロクボクで記念写真(いずれも卒業アルバムから)

 ついでにもう一つ余談だが、やっさんは「恋多き少年」だった。幼稚園の時から「初恋の人」がいて、小学1年はS上さん、2年はU戸さん、3年、4年はM尾さんと来て、5年、6年は一つ下のO矢さんになった。中学はおおよそO矢さんだったが、同学年のバレー部女子のH尾さんやW田さんらにも“浮気”した。もちろん、告白したことは一度もない。(つづく)

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