3月25日、大阪・十三の第七藝術劇場でドキュメンタリー映画「劇場版センキョナンデス」上映後、監督・出演のダースレイダーさんとプチ鹿島さん、そしてゲストに絵本作家の長谷川義史さんを迎えて、トークイベントが行われた。その模様を報告します。
「劇場版 センキョナンデス」
ロンドンで育ち海外メディアの情報に精通するラッパーのダースレイダーさんと、新聞 14 紙を毎日読み比べしている時事芸人のプチ鹿島さん。この異色のコンビが毎週配信する YouTube 番組『ヒルカラナンデス(仮)』は、人気を博し、全国に「ヒルマニア」 というコアなファン層を生み出している。二人が番組のスピンオフとして立ち上げたのが選挙取材企画。2021 年の衆院選、2022 年の参院選、合計十数人の候補 者に突撃取材を敢行した。
候補者の人って変ですよね
満席の会場。ダースレイダーさん、プチ鹿島さんが大きな拍手が起こる中、登場!
ダースレイダー
「さっそく、ゲスト、映画鑑賞したてホヤホヤの、絵本作家の長谷川さんです」
長谷川さん登場。
ダースレイダー
「いきなりなんですけど、今、観ていただいて、いかがでしたか?」
長谷川義史
「最初は、選挙をちょっとバカにしたような、ちゃかすような感じでずっと続くのかなあと思っていたんですけど、そうじゃなくて、選挙は<人間の変なところ>がいっぱいあると思うんですけど、その辺を知らされて、僕たちがもっと選挙に興味を持って、真剣に考えて投票に行かないといけないと感じました。楽しく観させてもらいました」
ダースレイダー
「この映画は、とりあえずおもしろそうな選挙区に行ってみようとスタートしました。例えば、香川1区で言えば、平井さんと小川さんが選挙報道をみると追いつ追われつなんだけど、現場に行ってみると、全然個々のあり方とか、やっていることが違うのがわかったんです」
「なんでこんなに違うんだろう。小川さんは、全国からボランティアが集まって応援している、平井さんはなかなか人前に出て来ない、でも報道の字面でみると互角になっている。僕ら、報道をみて選挙のことがわかった気になっていると、結構大事なことを見逃しているんじゃないかなあと、行ってみてわかりました。現場に行けば、こんなことが見えてきたぞ、もっと見たくなりました。今、統一地方選が始まっています。それぞれの自治体で何が起こっているのだろうか。つながっていくと思います」
長谷川義史
「テレビとかを見て、選挙を見ているようなつもりでいてるんですけれど、候補者の人たちって変ですよね。自分があなたたちのために、一番素晴らしいですよ、こんな恥ずかしいことを、普通の感覚だったら言えないですよ(会場、笑)」
プチ鹿島
「自分の名前、書いてくださいって言う、おかしいですよね」
長谷川義史
「変な服着てね(笑)。カジュアルなスポーティーな、だいたい白っぽい服着てね、変ですよね(笑)」
プチ鹿島
「変ですよね」
長谷川義史
「候補者らは、お二人をフレンドリーに招いてくれていましたよね。自民党の人にはすごく、警戒されているのは感じましたけど。選挙中やから、ものすごくウエルカムな感じを受けて、だって、普通、ダースレイダーさん、プチ鹿島さんの二人が来たら、「ちょっと帰ってよ」と言うと思うんやけど(笑)」
ダースレイダー
「この舞台に上がる前、長谷川さんも、そう思っていたんでしょうね」
長谷川義史
「映画を観ながら、今からこんな人たちとしゃべるんか、帰りたくなって(笑)。でも映画の最後の方を見たらそんな感じはなかったです。途中まで思っていました(笑)」
それから3人の話がどんどん進む。
プチ鹿島
「公の場では、自分をみなさんの代理人で国会に送り込んでください、と手を上げているわけだから、候補者は自分の言葉で説明するのが本来なんですね。でも人によっては、「手応えどうですか」と聞いても、答えられない人もいます。公の場で演説をカメラで撮っていると、撮影の許可の申請をしてくれと言う、おかしいですよね。演説の映像を使わせてくださいと日本維新の会に文書を送ったんです。そうしたら、何の返事もないんですよ。それで、候補者だけでなくて、その党の体質も浮かび上がりますよね」
ダースレイダー
「さっき、長谷川さんが言った服装の話って、大事だと思って、選挙の時、すごく爽やかだったり、スポーティーだったり、ある種、庶民的な、みんなと一緒ですよ、というアピールをするのが、議員になって国会に行くとみんなスーツだったりね。もうちょっと、普段着でやってもいい気がしますよね」
長谷川義史
「なんででしょうね。親しみやすいよう、アピールするのかなあ。ビジュアルはものすごく重要でね、きれいな人に入れたいじゃないですか。おかしなことですけど。だから、菅直人さん、もうちょっと散髪してね(大笑)」
ダースレイダー
「なるほどね、これ大事な指摘です」
長谷川義史
「菅さん、もうちょっときれいに散髪していかんとね。応援している人も入れようという気にちょっとなりにくい、ちょっと思いますね」
ダースレイダー
「菅さんに初めてお会いした時、大阪の千林商店街で待っていたんですけど、おじいさんがふらっと来てね、あれ、おじいさんなあと思っていたら、あれ!菅さんだと気付いたんです」
プチ鹿島
「覇気なかったですよね」
長谷川義史
「昔、もっと精悍な感じしましたけどね」
プチ鹿島
「菅さんを追っかけたのが、選挙の序盤戦の初日だったんです。朝10時ごろ、言葉がまわっていなかったり、乗っていなかったり、それが2日目、3日目で、どんどん人を前にしていると、立ち上がってくる感じがしましたね。去年1月ごろ、突如、菅さんが日本維新の会に嚙みつき始めて、過去の人だと思っていた人がシャキッとしてきた、じゃ、菅さんが大阪に乗り込むって言うんだから、大阪へ行こうと思ったのが菅さんの取材のきっかけでした。政治家の覇気を、いろいろな場面で捉えていて、有田芳生さん、道頓堀でね。去年の6月、統一教会問題で再ブレイクする前の有田さん、覇気なかったですよね。候補者の緊張感がなかったですね」
ダースレイダー
「有田さんの街宣も聞いていたんですけど、ぐっとくる感じがなかったですよね」
プチ鹿島
「大丈夫かなとダースさんと話していたんです」
ダースレイダー
「やっぱり、選挙ダメだったんですよね。でも今、有田さん滅茶苦茶、元気。山口の補選出るぞと言ってね」
プチ鹿島
「この映画は2021年の衆院選、2022年の参院選を取材して、大阪での選挙も映画に出て来ます。映画に吉村洋文さんと辰巳孝太郎さんが出て来ます。今回の知事選でこの二人の新しい物語が始まっています。どうやって新しくなれるか、それができた人が勝ち続けるんだろうし、負けた人も人々の心をつかむんだろうなと思います」
長谷川義史
「演説している間、どんどん高揚してというのはね、僕、こんなしゃべり方やのに、1回だけね、応援に行ってね、バスみたいなのに乗っているんですよ」
ダースレイダー
「街宣車ですよね」
長谷川義史
「そうそう。あの屋根に立ってしゃべるじゃないですか、あそこに僕、乗ったことあるんですよ」
ダースレイダー、プチ鹿島
「おー、へー」
長谷川義史
「もう7、8年前ですけど。共産党の応援に来てくれと言われてね。僕、共産党の応援してないけど」
ダースレイダー
「してないんですね(笑)」
長谷川義史
「してるんですよ。共産党員じゃなくて、無党派層なんですけど。その時は自民、公明ばっかり勝たれると困るんで、もうこの人の方がいいから応援に行ったんですね。ほんで、そのバスの上に乗ってしゃべるとね、だんだん、あんなしゃべり方になってくるんですよ(大笑)」
ダースレイダー
「しゃべり方、変わりますか」
長谷川義史
「そのバスの話はちょっと、後においといて。その前にね、大阪駅前で、何か言ってくれと言われて、僕、ものすごく真面目に言ったんですよ。変なんですよ、聞いている人はみんな共産党を応援している人ばかりやねん。だから、こんな人に聞いてもうても、しゃーないんですよ、たぶん入れるから」
プチ鹿島
「なるほど、そうですね」
長谷川義史
「変なんですよ。そうじゃない人に言わなあかんと思って、僕は、「そっちの人!僕はあなたと一緒です。共産党の応援でもないんですけど、でも、今回、共産党の人に入れませんか、そこの人って」(大笑)。「大丈夫です。入れてもそんなに通りません」(大笑)。そうでしょ。僕がそう言ったらですね、注意されました(大笑)」
ダースレイダー
「応援になっていません、長谷川さんみたいな。でも本当のことですよね」
長谷川義史
「本当でしょ」
プチ鹿島
「そのくらい言った方が、通行人の人は聞いてみようかなあと思いますよね」
長谷川義史
「バスの上に乗った時もね、だんだん、あんなしゃべり方になってきますよ。「あなた方!」みたいね、「今回の選挙で!自民、公明をそんなに勝たして!3分の2を与えて!大丈夫と思いますか!」みたいな。次の日、テレビの街ブラのロケに行ったんですよ。普通は、「こんにちは、僕は、今日は、十三に来ています」と言って始まるんですけど、「みなさん!(大笑)僕は今日!十三に来ています!」みたいに言って、スタッフから、「ハイ、カット!カット!」(大笑)」
ダースレイダー
「長谷川さん、違う人になっていますよ」
長谷川義史
「だから、ほんまにね、あんなんなりますよね(大笑)」
ダースレイダー
「これが選挙のエモさですよね」
映画「センキョナンデス」は選挙を手伝っている人を観る映画でもある
長谷川義史
「映画で、「選挙はお祭りだ!」とうたっているのは、まさにそうで、香川1区の候補者の小川さん陣営は、同級生が集まって選挙運動していましたが、もし自分の同級生が選挙に出ても、あんなことはしたくないんやけど、たぶん、片足でも突っ込んでしまったら、もう一体感となって、高揚して、チーム〇〇みたいな、このあいだのWBCの盛り上り感になりますよね」
ダースレイダー
「映画「センキョナンデス」は人を観る映画だとよく言っていて、候補者もそうなんですが、実は手伝っている人を観る映画でもあります。香川1区の小川さんだったら、同級生が集まってチーム小川みたいになって、この人に議員になってほしいと思っているだろうなというのが伝わる。でも、平井さんはチーム平井感ってないですよね。平井軍団みたいな、ある種、利権でつながっている業界の人たちが、この人を政治家にしたいという気持ちで手伝っているようには見えない集団なんですよね。陣営によって、手伝っている人のテンションは違うんですね」
プチ鹿島
「そこでも違いがわかります」
ダースレイダー
「いやいや手伝っている人ばっかりだったら、この人を選んでもなあ、と思っちゃいますよね」
長谷川義史
「なかなか、選挙事務所の中までどっぷりつかるのは難しいけど、自分の選挙区の選挙事務所ぐらいは見て、白い紙に必勝と書いてあるのがいっぱい張ってあったら、やばいなあ(笑)」
ダースレイダー
「平井さんの事務所はデジタル為書き。どうですかね」
プチ鹿島
「プリントアウトしただけですよね。ドヤ顔で、「デジタル為書きです、これ!」と言われましたからね」
ダースレイダー
「小川さんの事務所には為書きがなかったですよね」
プチ鹿島
「対照的な映像が撮れたんですよね」
ダースレイダー
「平井さんの事務所に行った時、入口までしか入れてもらえなかったです。「平井に一票、お願いします、みなさんのために働きます」と言うなら、事務所の中で話を聞かせてもらうとか、どういう人なのか教えてもらうとか、それぐらいはさせてもらわないと選べないでしょと思います。平井さんは本当に選ばれたいのか、と思っちゃいますよね」
プチ鹿島
「公道で平井さん陣営の様子を撮影しているだけで、脅してくる人もいましたからね」
監督2人は四国新聞社に監視されていた!
長谷川義史
「スパイみたいに撮影している新聞社の女の子、あれとかもすごいですね」
プチ鹿島
「あれ、僕らまぬけでしたよね。小川さんに四国新聞に気を付けてくださいと言ってたら、僕らの行動は全部、四国新聞に撮られていました。この映画はホラー映画でもあるんです」
ダースレイダー
「そういう意味では四国新聞さん、なかなかやるなあと思いましたが、ちゃんとした取材ではないです。舞台挨拶で広島の横川シネマに行った時、地元の高校の新聞部10人ぐらいが来てくれたんです。映画を観てくれた後、僕らの前に並んで名刺を渡して、質問して、全部メモして、写真撮影があって、これが取材だよと思いました(笑)」
プチ鹿島
「四国新聞がやっていないこと全部、高校生がやっていましたよね(笑)」
ダースレイダー
「長谷川さんが「変ですよね」は、大事な視点だと思うんですよね。選挙期間中、「人は変になっちゃう」、僕はおもしろいと思うんですよね。なんで、そんなエネルギーが燃えてくるんだろうかとか。一日中、車に乗って手を振りながらグルグル回って、小川さんは自転車で50キロ走っているんですよ。人がそこまでやってしまう、すごく興味をひかれますよね。どうしてかと言ったら、かっこ付きとはいえ、民主主義の国家なんで、ぼくらは主権者で、その代表を選ぶというのが選挙なんで、この「人が変になっちゃう」選挙が、僕らの社会を回していく原動力。だから、この映画を観た後、あの人変だったよね、何であの人はああいうしゃべり方なのかなあ、を含めて、いろいろな話をしていく、それが民主主義じゃないかなあと思うんです。これを続けていくのが民主社会。そういうことをやるしかないなあと映画をつくってみて思いましたね」
長谷川義史
「選挙にあまり興味がない人、半分の人が選挙に行かないんでしょ、そういう人たちこそ、この映画を観てほしい。こんな人が自分の行く末を左右する、と気付かないといけないですよね。そこから、この人やったらなんとかなる、という人に投票しようとなると思うし。この映画を観てない人こそ観なあかん」
ダースレイダー
「トンチみたいになりました(笑)」
プチ鹿島
「上映して1か月経って、僕らのことを知らない人の中に、この映画を観たいなあという人が増えてきています」
ダースレイダー
「観終わって、おもしろかったですとか、保守的な人から感想が来たりしています」
長谷川義史
「将来、お二人が来てくれたら、とうとう俺もこの二人が来てくれるぐらいの候補者になった、と思うんじゃないですかね(笑)」
大阪の選挙、名調子の辰巳孝太郎さん、よくしゃべる松川るいさん
プチ鹿島
「統一地方選挙が始まって、候補者の第一声を聞こうと、今週水曜日から大阪に来ています。辰巳孝太郎さんはまた会えたねという感じです。変わらず、名調子でいいよね」
ダースレイダー
「「朝まで生テレビ」に出演した時、辰巳孝太郎さん、松川るいさんと一緒だったんです。選挙運動中の松川さんに会って、自己紹介して話したんですけど、松川さんがその場から離れる時、「ユーチューバーのみなさん」と言われました。辰巳さんは名前を覚えてくれていました。これって、人柄が違いますよね」
長谷川義史
「重要なことですよね」
プチ鹿島
「候補者それぞれ、主張とか考え方がバラバラでいいですけど、演説を聞いていて、辰巳さん、名調子でずっと見ちゃいますよね」
ダースレイダー
「声が聞いていて気持ちいい。これも結構大事なんですよね。しゃべるのが苦手でもちゃんと考えている人もいるだろうし、しゃべりだけで決めてしまうのは危ないのですが」
プチ鹿島
「人前で表現するラッパーと芸人だから、あの人のしゃべりはテンポがいいとか、おもしろかったとか、感じますよね」
ダースレイダー
「松川るいさんもすごくしゃべるんですよ。自分の考えを持っていて、自分の言葉でちゃんと説明できるんだなあと思いました。香川1区の平井さんは具体的なセリフはグータッチの話しかないですよね(笑)」
安倍元首相が銃撃される。この日、監督の2人は選挙中の辻元清美さんを取材していた。
ダースレイダー
「2022年7月8日、僕らも選挙中の辻元清美さんの横で、安倍さんの訃報を聞きました。安倍さんは評価が分かれる政治家だったと思うんですが、この映画のプロデューサーの前田亜紀さんは、「安倍さんが亡くなった時、悲しいと思わなかったけど、この映画で辻元さんのシーンで初めて、安倍さんの死を悲しいと思えた、辻元さんの感情が感染して、そういうことだったんだとわかった」と言っているんですね。これって、安倍さんの政策的な評価とかを超えて、辻元さんは国会で安倍さんと違う立場とはいえやりとりをして、生身の人間としての安倍さんを知っているというのが、あのシーンでわかるんですよね。方や、ネットで辻元さんは、安倍さんが好きな人からすごく評判が悪い。そういう人たちと辻元さんのあの反応、どちらがほんとうの安倍さんに対しての感情なのか…」
プチ鹿島
「あの日、まだ訃報が正式に発表されていない時、安倍さんに近い、もしくは自称している人、仲がいいとされている人が、安倍さんはもう亡くなっているとか、昔の写真を引っ張り出してきて自分アピールに一生懸命だったじゃないですか。一方、安倍さんと一番遠いとされている辻元さんが絶句して涙を流して、背中を落として帰っていくのを見ていると、人としての振る舞いが、わかったのがあの日でもありましたよね」
ダースレイダー
「山上徹也被告の背景や統一教会の事情がわからない状態の時に人はどう振る舞うか、ネットでいうと、どんどん推測で、反安倍に洗脳された何々がやったに違いないとか、わーって、みんながこう正解に飛びつくというかね」
プチ鹿島
「今までの批評とか論評も、悪口みたいになって、お前らのせいだ、というのがすごかったですね、あの日」
ダースレイダー
「動揺したり、パニックになったり、間違ったり、と思うんですけど、だからこそ、あの日、何があったのか、記録して残しておいて、この映画を観たら、あの日に戻ってもらって、あの日何があったのか、どんな会話をしたか、もう一度考え直す、それがすごく大事だと思うんです」
長谷川義史
「象徴的だなあと思ったのは、選挙の開票番組で、辻元さんの当確が出た時、山上容疑者が連行されているニュースが映ったんです。あの時は統一教会の問題がわからなかったんですが、後々わかってきて、統一教会の票が組織票となって最初から下駄を履いているようなもので、それがあの時点ではわからなかったんですが、辻元さんの後ろに彼が映っているのは、すごく象徴的だと思いました」
ダースレイダー
「統一教会の組織票は6万とか8万とか言われています。何かくさす人は大した数ではないと言うんですが、実は、みんなが投票に行かないと、6万票で結果は変わっちゃうんですよ。実際、井上義行さんはある種、票の差配で、それがなかった場合の得票数の倍ぐらいで当選ラインに届いて今、議員をしているわけです。井上義行さんに投票した人は、人で選んだのか、どういう人物なのか、どういう考え方の人なのか、ちゃんと選んで投票したのではない理由で通るんだったら、みんな選挙に行った方がいいじゃないかと思います」
プチ鹿島
「統一教会問題は、いろいろな論点がありますけど、僕らとしては一番重要なことは、いろいろな人が選挙に行かないといけないんだ、ということです。投票率が上がらないと、組織票を持っている人が有利になって、自分たちの意見が通りやすくなるから、しめしめと思うわけですよ。真剣に考えて、この人に投票しようという人が増えれば、それが通りにくくなる、今回の肝の一つだと思うんですね」
ダースレイダー
「統一教会問題を長年取材しているジャーナリストの鈴木エイトさんが行く現場は、この候補者、あれ?!と思うわけですよ。現場に行けば、そういう話ができるじゃないですか。現場に行って、その人を見る、その人の振る舞い方やしゃべり方、周りにいる人を見る、こういうことが大事だと思うんですね」
長谷川義史
「この何年間、自分が入れた人は通ってないからね(笑)。こういうことで上乗せされて、そういう人が通るのかと思うと、愕然としますからね。だからみんな選挙に行ってください」
誰に投票したか、それは自分自身の記録
プチ鹿島
「自分の一票は小さいから政治は変わらないよと言う人がいますけれども、だからこそみんなでね、増やした方がおもしろいわけですよね」
ダースレイダー
「僕は東京8区で、衆院選で投票した候補者が通ったことがないんです。石原伸晃さんという人がね、非常に強い選挙区なんです」
プチ鹿島
「石原先生ですか、ハ~」
ダースレイダー
「自分の票は意味がなかったか。そうじゃなくて、自分は伸晃さんに入れなかった、違う候補者に入れた、というその時の自分としての記録をしているわけですよ」
プチ鹿島
「自分の日記帳としてね。あの時は誰に入れたか、その積み重ねが投票かもしれないです」
ダースレイダー
「だから、あの時、自分が投票した人が代表になってなくても、僕はこういう判断をした、自分の記録です」
プチ鹿島
「一着を当てるゲームではないですからね。その時、勝てなくても、じゃ次回はどうか、その繰り返しですよね」
ダースレイダー
「僕が伸晃さんに入れなくても、伸晃さんが僕らの代表になったんだから、伸晃さんはどんな仕事をするのかなあと見ていたら、「金目でしょ」とか言ったり。この人が代表になってんの!?と思って、次の選挙では、この人は全然ダメでしょうと思っても、また伸晃さん通って、でも繰り返したら、前回の衆院選では落ちたんです。ちゃんと見ていたら、‘伸晃さんじゃなくね’と結論を出す人も出てくると思うんですね。だから、投票の意味があるないは、自分にとっての話で、主権者は自分なんだから」
プチ鹿島
「伸晃さんは組織固めががっちりしていて、ある程度の票を持っていたから、強かったという面があると思います。香川1区の平井さん、最後の最後にお会いしました。朝から会いたかったんですが、選挙最終日の夜に会ったんです。地上に出て来たのが夜しかなかったんですよ。地上というとワニみたいですけど、平井さん、ワニが好きなんですよ。国会で大事な審議中にワニ動画を見ていたんです。ワニ大臣と僕らは呼んでいます。なんで、地上に出て来なかったかと言ったら、苦戦しているから、自分のクローズドの集会で組織票を固めていたらしいです。そうすると、選挙って何だろうと思いますよね。街頭に出て来ないんだから」
投票した人、投票しなかった人、すべての国民に対して働くのが国会議員。それがわかっていない国会議員。
ダースレイダー
「長谷川さんが言う、「変ですよね」というのは、平井さんのように、自分に確実に入れる人の前にしか出て来ない、その人たちに「お願いします」と言っているだけで、通りすがりの人たちには、「僕を代表にしてください」と呼びかけをしない」
プチ鹿島
「平井さんは最後、パレードをすると言うから行ってみたら、スカスカ。僕らしかいなかったんです。途中でおばちゃんが出てきて、「先生、お久しぶり」。ちゃんと対話すればいいんだけれど、さくさく歩いていちゃって」
ダースレイダー
「国会議員は勘違いしている人が多いと思うんですけど、国会議員って、国民全体の代表だから」
プチ鹿島
「先生でもなんでもなくてね」
ダースレイダー
「勝った負けたの結果、‘投票した人のために働きます’じゃなくて、当選したら、その後は、投票しなかった人の分も含めて、働くんですよ、これをわかっていない国会議員が多いと思うんですよね」
プチ鹿島
「選挙はずっと続きますし、この映画が描いた選挙も通過点の一つです」
ダースレイダー
「選挙って、僕らの日常と接続しているわけで、僕らの日常が続いているのと一緒で、定期的に選挙はあって、自分はあの時あの人に入れたなあとか、前回はこの人にいれたなあとか。間違える場合もありますよね、ポスターだけで選んじゃったとかね」
プチ鹿島
「それ、本当に大事で、ガーシーさんに入れた人はどう思っているのか、重要なんですよ。票を入れて満足しているのか、見込み違いだなあと思うのか、がっかりしている人の方が多いのか。次の選挙でその思いをどう反映するかですよね。同じような路線の人を選ぶのか、違う人を選ぶのか」
ダースレイダー
「いずれ、次の選挙が来ます。この映画もある期間の選挙だけを僕らが見て、映画を作っていますけど、その先があるんですよね」
プチ鹿島
「新しい闘いが始まっていますからね」
●「劇場版 センキョナンデス」公式サイト
〇ぶんや・よしと 1987年MBS入社。2021年2月早期退職。 ラジオ制作部、ラジオ報道部、コンプライアンス室などに在籍。 福島原発事故発生当時、 小出裕章さんが連日出演した「たねまきジャーナル」の初代プロデューサー
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